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新しい(かも知れない)配合論~Donatelloを題材に(6)

TouchstoneとCowl(≒My Dear)の組み合わせはよく見られる。
特にダービー卿やウェバートリー卿(ホールウォーカー)の血統に多く、前者は明らかにそれを基盤として血統を育てている。おそらく配合コンサルタントのオルストン場長のデザインだろう。
例えば、基礎牝馬Canterbury Pilgrimの母の父The Palmer
また、同じく基礎牝馬Gondoletteの祖母の父でThe Palmerの全兄弟Rosicrucian

The Palmer=Rosicrucian
the-palmer.jpg

Canterbury Pilgrim
Canterbury-Pilgrim2.jpg

swynford
swynford2.jpg
【SireLine for Windows Ver1.50 - Build 496】

Canterbury Pilgrimは父がHermitの仔Tristanだから、Hermit≒The Palmer(Touchstone×Cowl)のニアリークロスになっている。
普通のインブリードであれば2×2という強度の近親繁殖となり、リスクが高まるところだろうが、5代内ではTouchstone4×5、Cowl5×4というアウトよりのクロスになる。
その恩恵か、Canterbury Pilgrimは多少の気性難はあったようだが、優秀な競争成績と繁殖成績を修め、後世に大きな影響を与えた。
そして、Canterbury PilgrimにIsonomyの孫、John O'Gauntを配合することでこのパターンを積み重ねSwynfordを生産した(Sterling≒Hermit≒The Palmer)。
こうした近似配合馬によるクロスは、望ましい因子(TouchstoneとCowl)を固定化しつつ、リスクを回避する巧みな方法と言えないだろうか?

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新しい(かも知れない)配合論~Donatelloを題材に(7)

Canterbury Pilgrimは、ダービー卿が生産を始めるに当たってモントローズ公爵夫人のオークションで買い求めたもので、オルストン場長がダービー卿に請われて就任する以前の事であるので、就任後オルストン場長はダービー卿の繁殖牝馬をつぶさに研究し、この配合パターンを後の血統の基盤として選定したのだと思われる。
実際、就任後に一風変わった経緯によってウェバートリー卿から購買されたGondoletteもこの配合パターンを踏襲している。
一般には、父Loved Oneの母Pilgrimageのラインブリードを行うための布石と考えられているようだが。

Gondolette
gondolette2.jpg

Gondoletteがウェバートリー卿からダービー卿に買われたとき、ウェバートリー卿が生産したMinoruの種を受胎していた。
そして生まれたSerenissimaは、やはり優秀な競争成績と繁殖成績を修め、ダービー卿の重要な基礎牝馬となった。

Minoru
minoru.jpg
【SireLine for Windows Ver1.50 - Build 496】

Minoruの3代母Mother Superiorは、Hermitの全妹ChanoinesseとSterlingの間に生まれているので、Chanoinesse≒Sterlingのニアリークロスとなっている。
通常のインブリードならば1×1というあまりに強度のインブリードとなるところだが、近似血統による配合のため、見かけ上はTouchstone4×3、Bay Middleton5×5、Whalebone5×5という相似配合で、現代にあっても普通の強度のクロスになっている。
そのMother SuperiorにGalopinを一代はさみ(配合上のキーホースのBay Middletonは重ねられる)、Hermitの仔Friar's Balsam(Touchstoneがもう1枚、母系から重ねられる)、母がHermit≒Sterling2×2でIsonomy×Hermitのニックスを持つArcadiaというCylleneと累代され、Minoruは生産されている。
つまりMinoruは、

Arcadia×Mother Superiorという近似血統2×3とも言える。

そのMinoruをGondoletteに交配して生まれたのがSerenissimaであり、

The Palmer=Rosicrucian≒Hermit=Chanoinesse≒Sterling

という、

「Touchstone」と「My Dear≒Cowl」

の組み合わせの近似血統を、5*5*4*5*5×4*4(クロスの表記は笠雄二郎氏の提案する表記にしています)の強度で幾重にも積み上げている。
このような基盤があったかからこそ、同様のパターンが作られたCanterbury Pilgrim牝系と出会うことでGondoletteからSansovinoが、SerenissimaからSchiavoniTranquilSeleneが生まれ、Hermit=Chanoinesseの3/4妹Reticence(もちろんTouchstoneとCowlを持つ)を母系に持つSon-In-Lawから、Bosworthを輩出できたと思われる。
単なるPilgrimageのインブリードでは不可能ではないだろうか?

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新しい(かも知れない)配合論~Donatelloを題材に(8)

ただ、Minoru、Serenissimaの配合デザインはオルストン場長ではなく、ウェバートリー卿なのだと言うことがまた興味深い。そして、Gondoletteはウェーバトリー卿の生産ではなく、Henry Waringなる人物の手によるらしいがこれもまた興味深い。
おそらくウェバートリー卿は、生年から考えてMinoruに配合するためにGondoletteを買ったはずなのだが、種付けだけしてダービー卿に売却したことになる。その頃牧場を国に寄贈して生産から手を引いているので、十分な成功を収め競馬に興味を失ったためかも知れないが。
ウェバートリー卿(ホール・ウォーカー)は神秘的な人物像ばかりが取り上げられ、その血統理論の研究は十分になされていないように感じる。
短期間に自家生産馬でイギリスのクラシックを全て勝ち、古馬の主要レースもほとんど制している。
それだけでも驚異的なのに、SerenissimaやBig Gameの祖母、Chamossaireの3代母Dolabellaを配合・生産し、リーディングサイヤーBlandfordの母であり、Sun Chariotの3代母のBlancheを生産し、Princequilloの父系祖先とおそらく母系祖先を生産し、また、重要なブルードメアサイアーCharles O'Malleyを生産している。彼の存在がなければDalmaryの誕生も無かっただろう。
さらにアガ・カーンに血統コンサルタントとしてヴィリエを推奨し、競馬参入に大きな影響を与えたとされている(「名馬の生産」エイブラハム・S・ヒューイット著、「クラシック馬の追求」ケン・マクリーン著)。
サラブレッド生産史上、最も配合の秘密に近づいたのは彼ではなかったか。

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新しい(かも知れない)配合論~Donatelloを題材に(9)

White Eagle
white-eagle2.jpg

White Eagleはウェバートリー卿(ホール・ウォーカー)の生産馬で、一流半から二流の競走馬だったが、自家繁殖に供され父のGallinuleと同様に後世のサラブレッド血統に大きな影響を残した。
その配合は、通常Isonomyの強度のインブリードが目立つが、父の持つIsonomyとHermitのニックスを『増幅する形』になっている。

Marie Stuart
marie-stuart.jpg

3代母Marie Stuartは、オークスに勝ち、セントレジャーでDoncasterを破った大変な女傑だ。
その母系はDiversionから出た名門で、半妹Lady Morganも多くの名馬・名種牡馬の祖先となった。
そしてMarie Stuartは、例によって「TouchstoneとCowl」の組み合わせを持っている。
しかし、よく見るとMarie Stuartの父Scottish Chiefの母Miss Annは、CowlのキーホースBay Middletonを持っている。
さらによく見ると、Cowlのいま一頭のキーホースPriamと3/4同血となるMuleyまで持っている。
つまり、Miss Annは、Cowlとニアリーイコールであり、Marie StuartはMiss Ann≒Cowlを2×2という強いインブリードで持っていると言える。

Cowl≒My Dear≒Miss Ann

また、Scottish Chiefは、そのMiss AnnにTouchstoneの仔をかけて生まれたので、

Scottish Chief≒The Palmer=Rosicrucian≒Hermit=Chanoinesse≒Sterling

となる近似血統馬ということが言えるだろう。

White EagleはSterling≒Hermit≒Scottish Chief3*3×4*4で持っている。

または、Gallinule×Mary Seatonという近似血統の1×2と言うべきか。

通常、ドイツ型の系統繁殖などでは、自牧場の基礎牝馬や理想とする血脈の強い種牡馬が自家繁殖に供される(山野浩一氏が「優駿」で連載されていた、「血統理論のルネッサンス」が面白い。新橋のPRセンターの図書室でコピーしたものを今でも持っています)。
その場合、もちろん競争成績は良いに越したことは事はないが、むしろ血統や馬体などが重視される。
例えば、ダービー卿のChaucerも決して誰もが認める名馬と言うわけでは無い。
しかし、それ故にChaucerの持つSt.SimonやCanterbury Pilgrimの血脈を理想と考え、それでハウス血統を作っていこう、と言う強い意志が読みとれる。
こうした種牡馬は外部から導入した牝馬や、外部の種牡馬を付けて特殊化した牝馬を自家血統に近づける為や、優秀な牝馬の特性を出来るだけ壊さないように次世代に繋ぐ為に用いられる(前出「血統理論のルネッサンス」)。
そういう役割を担った種牡馬White Eagleがこういった血統を持ち、また、Serenissimaの血統を鑑みると、ウェバートリー卿の意図が

Scottish Chief≒The Palmer=Rosicrucian≒Hermit=Chanoinesse≒Sterling

ここにあったのは間違いないように思う。
ただ、いま一頭同様の役割を持っていたと考えられる、Royal Realmの血統を合わせて考えるとそれだけでは「ウェバートリー卿の意図」はまた遠ざかってしまう。
おそらく、Galopin×Hamptonのテシオも言及しているニックスに基づいているのだろうが、問題が複雑になるので今は触れないでおく。

Priam
priam.jpg

Muley
muley.jpg
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新しい(かも知れない)配合論~Donatelloを題材に(10)

Pocahontas
pocahontas.jpg

Cowl
cowl.jpg

先に触れたPocahontasとCowlの血統表を見て欲しい。
そして下はGlencoeとBay Middletonの血統表だ。

Glencoe
glencoe.jpg

Bay Middleton
bay-middleton.jpg
【SireLine for Windows Ver1.50 - Build 496】

こうしてみると、

Glencoe≒Bay Middleton
Muley≒Priam
∴Pocahontas≒Cowl

であり、PocahontasとCowlはニアリーイコールなのが解る。と言うことは、

Pocahontas≒Cowl≒My Dear≒Miss Ann

とも言えるだろう。




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