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新しい(かも知れない)配合論~Donatelloを題材に(8)

ただ、Minoru、Serenissimaの配合デザインはオルストン場長ではなく、ウェバートリー卿なのだと言うことがまた興味深い。そして、Gondoletteはウェーバトリー卿の生産ではなく、Henry Waringなる人物の手によるらしいがこれもまた興味深い。
おそらくウェバートリー卿は、生年から考えてMinoruに配合するためにGondoletteを買ったはずなのだが、種付けだけしてダービー卿に売却したことになる。その頃牧場を国に寄贈して生産から手を引いているので、十分な成功を収め競馬に興味を失ったためかも知れないが。
ウェバートリー卿(ホール・ウォーカー)は神秘的な人物像ばかりが取り上げられ、その血統理論の研究は十分になされていないように感じる。
短期間に自家生産馬でイギリスのクラシックを全て勝ち、古馬の主要レースもほとんど制している。
それだけでも驚異的なのに、SerenissimaやBig Gameの祖母、Chamossaireの3代母Dolabellaを配合・生産し、リーディングサイヤーBlandfordの母であり、Sun Chariotの3代母のBlancheを生産し、Princequilloの父系祖先とおそらく母系祖先を生産し、また、重要なブルードメアサイアーCharles O'Malleyを生産している。彼の存在がなければDalmaryの誕生も無かっただろう。
さらにアガ・カーンに血統コンサルタントとしてヴィリエを推奨し、競馬参入に大きな影響を与えたとされている(「名馬の生産」エイブラハム・S・ヒューイット著、「クラシック馬の追求」ケン・マクリーン著)。
サラブレッド生産史上、最も配合の秘密に近づいたのは彼ではなかったか。
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新しい(かも知れない)配合論~Donatelloを題材に(7)

Canterbury Pilgrimは、ダービー卿が生産を始めるに当たってモントローズ公爵夫人のオークションで買い求めたもので、オルストン場長がダービー卿に請われて就任する以前の事であるので、就任後オルストン場長はダービー卿の繁殖牝馬をつぶさに研究し、この配合パターンを後の血統の基盤として選定したのだと思われる。
実際、就任後に一風変わった経緯によってウェバートリー卿から購買されたGondoletteもこの配合パターンを踏襲している。
一般には、父Loved Oneの母Pilgrimageのラインブリードを行うための布石と考えられているようだが。

Gondolette
gondolette2.jpg

Gondoletteがウェバートリー卿からダービー卿に買われたとき、ウェバートリー卿が生産したMinoruの種を受胎していた。
そして生まれたSerenissimaは、やはり優秀な競争成績と繁殖成績を修め、ダービー卿の重要な基礎牝馬となった。

Minoru
minoru.jpg
【SireLine for Windows Ver1.50 - Build 496】

Minoruの3代母Mother Superiorは、Hermitの全妹ChanoinesseとSterlingの間に生まれているので、Chanoinesse≒Sterlingのニアリークロスとなっている。
通常のインブリードならば1×1というあまりに強度のインブリードとなるところだが、近似血統による配合のため、見かけ上はTouchstone4×3、Bay Middleton5×5、Whalebone5×5という相似配合で、現代にあっても普通の強度のクロスになっている。
そのMother SuperiorにGalopinを一代はさみ(配合上のキーホースのBay Middletonは重ねられる)、Hermitの仔Friar's Balsam(Touchstoneがもう1枚、母系から重ねられる)、母がHermit≒Sterling2×2でIsonomy×Hermitのニックスを持つArcadiaというCylleneと累代され、Minoruは生産されている。
つまりMinoruは、

Arcadia×Mother Superiorという近似血統2×3とも言える。

そのMinoruをGondoletteに交配して生まれたのがSerenissimaであり、

The Palmer=Rosicrucian≒Hermit=Chanoinesse≒Sterling

という、

「Touchstone」と「My Dear≒Cowl」

の組み合わせの近似血統を、5*5*4*5*5×4*4(クロスの表記は笠雄二郎氏の提案する表記にしています)の強度で幾重にも積み上げている。
このような基盤があったかからこそ、同様のパターンが作られたCanterbury Pilgrim牝系と出会うことでGondoletteからSansovinoが、SerenissimaからSchiavoniTranquilSeleneが生まれ、Hermit=Chanoinesseの3/4妹Reticence(もちろんTouchstoneとCowlを持つ)を母系に持つSon-In-Lawから、Bosworthを輩出できたと思われる。
単なるPilgrimageのインブリードでは不可能ではないだろうか?

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